喜びと驚き

さあ分娩室へ。
助産師さんが温かく迎えてくれた。だが言い放った言葉は残酷なものだった。
「早くて明日の朝には産まれるかなー。」

は?
この痛み。夜通し?
うそ。
そんなの無理だよ。
そこであたしは今日中に産むんだーと意気込んだ。

そうだっ。
あたし浣腸してないけどいつするんだろう。2日でてないなあ。
助産師さんに言うと、「うーん。今からやりますかー。もっと早めに言ってれば。」前処置でやるものと思ってたので、驚いたが、やってみた。
お腹痛くて辛かった。歩くのも辛くて、なんとか少しウンチがでました。

そして、出産を早めるためと、足浴やらアロマやらしてくれたが、痛くて辛くて。
優しい助産師さんで、あの方に取り上げてもらったことはとても良かったのだがお腹が痛いので、笑顔で対応なんてできなかった。
そして散歩しましょうと。
2分おきにくる痛みの中、歩かされた。
地獄だった。
痛みがくるたび、廊下の脇にたおれ、滝のような汗を流し、もうダメ。とてもお腹を切ってくれと何度諦めたか。

でもその甲斐あって、そのあと破水してその30分後に私は赤ちゃんと会うことができた。

私は疲れ切っていて、いきむときには眠くてしょうがなかった。
いきむときになると、痛みはなくなっていた。赤ちゃん出るときも痛みというより、やっといきめることの嬉しさで、よくわからない状態だった。

赤ちゃん。最初可愛くないとかいうが、可愛いとかではなく、愛おしくて、今まで味わったことのない感情だった。
そして一人産んで、あたしが言った言葉は。

もう一人欲しいだった。
一人も育ててないのに。
痛みなんか忘れるというのらこういうことかと実感した瞬間でした。